「金融システム改革」TOPICS!2025年11月版

GESARA社会へ向けて進行中の「金融システム改革」に関連したトピックス(11月版)を共有させていただきます。
目次
RLUSDがADGMで“法定通貨参照トークン”に認定:Rippleの国際展開が次のステージへ


GESARA社会へ向けた新金融システムの動きは世界各国で促進・具現化されています。そんな動きの一つとして、先日公式発表された「アブダビ」でのトピックスを共有させていただきます。
アブダビ(Abu Dhabi)とは、アラブ首長国連邦(UAE)の首都であり、最大の首長国です。
UAEの政治・経済の中心
世界有数の産油地で、豊富な石油資源により急速に発展
近代的な都市景観と伝統文化が共存
金融・観光・テクノロジー分野の中東ハブとして重要な地域
一言でいえば、「中東屈指の富と影響力を持つUAEの中心都市・地域」となっています。
先日(2025年11月27日)リップル(Ripple)は
同社発行の米ドル連動ステーブルコイン RLUSD がアブダビの国際金融センター Abu Dhabi Global Market (ADGM) の規制機関である FSRAによって「Accepted Fiat-Referenced Token(法定通貨参照トークン)」として正式に認められた
と発表しました。
この認定により、ADGM 内でライセンスを持つ金融機関や決済事業者などの「認可団体 (Authorized Persons)」は、RLUSDを法的に利用できるようになります。用途としては、決済、担保 (コラテラル)、貸付、清算 (プライムブローカレージ) などが想定されています。
何故、この認定が重要なのか!?
1.規制対応と信頼性
RLUSDは、1:1 の米ドル裏付け (USD バッキング)、高流動性資産での準備金、資産分別管理、第三者による監査、明確な償還 (redeem) 権利など、透明性・コンプライアンスを重視した設計がなされています。FSRA はこうした設計を評価し、ADGMの厳格な規制枠組みのもとで正式なトークンとして認定されています。
2.機関利用の門戸が開く
共通の懸念であった「ステーブルコインの規制・信頼性」に対して、RLUSD は規制当局の承認を得たことで、銀行、決済事業者、フィンテック企業などが安心して利用しやすくなります。特に ADGM のような国際金融センターで動けるというのは、企業間送金や国際決済の領域への本格的な参入を意味します。
3.中東・グローバル展開の追い風
今回のアブダビでの認定は、Ripple にとって中東地域での存在感を強める重要な一歩。既に別の規制当局 (たとえばドバイ) における認定実績もあり、RLUSD を起点にした中東〜アフリカでの送金・決済インフラ構築が加速する可能性が高まります。
中東でのステーブルコイン承認が注目される理由!?


Qプラン上、重要な道のりとなっていることはもちろんの事、中東における新金融システムへの移行にとって、今回の出来事は大きな意味があると考えられます。特に下記3要素がポイントに。
●中東の規制環境の整備 :ADGM や他の金融センターは、従来の銀行中心の金融システムからデジタル資産/ブロックチェーン活用へと政策的に転換を進めており、ステーブルコインやトークン化資産に対する認定枠組みを整備している。これは「規制ありき」の安心感を提供することに。
●送金・決済市場のニーズ:中東/アフリカ地域には、国際送金、送金コスト削減、時間短縮へのニーズが高く、ステーブルコインによる即時決済や国際送金は理想的なソリューションとなる。RLUSD のような安定かつ規制順守のコインは、既存の銀行/SWIFT 決済に代わる選択肢となり得ます。
●機関・銀行の参入余地 :規制承認を得ていることで、従来ステーブルコインに慎重だった銀行や決済事業者が導入しやすくなる。これにより、単なる「暗号資産好き」の領域を超えた、実需ベースの採用が期待されます。
GESARA新金融システムの前進!RLUSDが「機関向けステーブルコイン」の現実的な選択肢へ


今回のFSRAによる認定は、RLUSDを単なる「暗号資産界のステーブルコイン」のひとつから、実際に規制された金融インフラとしての地位に押し上げる重要なマイルストーンとなります。
特に国際送金、決済、担保、清算などを手がける金融機関や決済事業者にとって、RLUSDは信頼性と透明性を兼ね備えた「ドル建て資産」として有力な選択肢となるでしょう。
今後、どれだけ多くの機関がRLUSDを採用し、実用化に至るか — その動きが、中東のみならずグローバルなステーブルコイン/デジタル資産活用の拡大を占う試金石となるとともにGESARA社会へに到達する鍵となります。
新金融システムの幕開け!?ISO 20022が全世界で稼働へ


先週末(11月22日・23日)に全世界で金融・送金に関わるメッセージ規格が「ISO 20022」へと移行&稼働することとなりました。
その効果の一例としてISO 20022 では「国・州/地域・都市・町名・郵便番号・建物名・部屋番号」などの情報をきちんと分けて扱えるようになります。
ISO 20022への移行&稼働は、あくまでもメッセージ規格の改革(変更)となりますので、直接的な「RV(通貨価値再評価)」との連動はありませんが、間接的に「新金融システムへの移行」という形でRV(通貨価値再評価)を促す要素となっています。
そういう意味で今回の出来事は
新金融システム(GESARA社会の金融システム)の幕開け
を表しています。
日本における「ISO 20022」対応状況


現時点では、ISO 20022が始動したばかりですので、まだ具体的な変化は表面化してきていいません。そこで、「日本の金融機関(メガバンク)」における変革過程と取組状況をご紹介させていただきます。
日本国内では、世界に先駆ける形で各銀行にて「ISO 20022 対応」が促進。現時点で対応は完了しています。例えば、送金依頼フォーマット(CSV/XML など)を ISO 準拠に変更する動きに関して MUFGの「BizSTATION 外為サービス」は 2024年初頭にISO 20022 準拠フォーマットへ切替済みとなっています。
日本のメガバンク「MUFG(三菱UFJ銀行) | SMBC(三井住友銀行)| みずほ銀行」の2025年11月中旬までの状況(専門的な要素)をまとめたものが下記となります。
| 項目 | MUFG(三菱UFJ銀行) | SMBC(三井住友銀行) | みずほ銀行 |
|---|---|---|---|
| ISO 20022 受信(被仕向)対応 | 2023年より ISO 電文受信を開始。既存システムでの変換処理を実施。海外拠点への対応拡大中。 | 2023年より受信開始。既存MTから ISO へのデータ変換で運用中。 | 2023年より受信開始。住所情報など一部項目は表示に制約ありと告知。 |
| ISO 20022 送信(仕向)対応 | 2024年より企業向け外為送金の新フォーマット適用。旧フォーマット掲載終了済み。 | 2024年より企業向け外為送金で ISO フォーマット切替を段階実施。 | 2024年より ISO 送信に段階切替。併存期間は限定的。 |
| 国内外送金の切替スケジュール | 2023–2025:移行期間。2025年11月MT廃止に完全対応予定。 | 国際送金は 2023–2025 で併存、2025年内完全切替を予定。 | 2025年11月の SWIFT MT 廃止に向け移行を加速中。 |
| 企業向けファイル伝送(CSV/XML) | BizSTATION 外為: ISO対応 XML に統一。旧 CSV は実質サポート終了。 | 企業向け外為システムを ISO XML 対応へ順次移行。 | 外為ファイル伝送の ISO 準拠 XML 対応開始。 |
| ERP・会計システムへの影響 | 住所・受取人情報の構造化に伴い、ERP 側の項目追加・取り込み調整が必須。 | 受信データ容量増加・構造化により、会計自動仕訳ロジック修正が必要。 | 入金通知の XML 化に伴い、会計消込ロジックの見直し必須。 |
| AML/コンプライアンス対応 | 高精度化によりモニタリングロジックの更新を推奨。海外拠点も統一へ。 | AML 情報チェックが強化され、データ精度の向上が求められる。 | 構造化データに対応したフィルタリングへ移行進行中。 |
| 影響が大きい企業分野 | 国際送金・輸出入企業・海外子会社を持つ法人 | 製造業・貿易業・多通貨決済を扱う企業 | 金融業・商社・多国籍企業 |
銀行ごとの「特徴的なポイント」


日本のメガバンク(三行)のISO 20022対応に関する「特徴的なポイント(要点)」 としては下記内容があげられます。
◆ MUFG:国内で最も切替が早い。海外拠点への拡張も先行
*BizSTATION の旧フォーマット掲載終了をいち早く実施
*受信側(被仕向送金)ISO 対応も他行より先行
*海外支店・海外子会社向けの対応地域拡大に積極的
→ 日本企業の国際送金データの基準が、MUFG を中心に ISO 20022 へ流れ始めたという見方ができるのではと考えています。
◆ SMBC:企業ユーザーの利用システムが多く、段階移行を採用
*取引企業数が多いため、段階的アップデートで影響緩和
*外為業務の企業向けマニュアルなどを複数改訂
*ISO 移行に伴い AML 検知ロジックを再設計中
→ 「ソフトランディング型」の移行で、ユーザー影響最小化を重視している印象があります。
◆ みずほ:構造化データの受信開始も、既存画面との整合調整が課題
*住所等の詳細項目が多いため、既存画面で表示しきれない旨を告知
*消込・仕訳処理における“項目マッピング調整”が企業側必須
*外為システムのXML 対応を強化中
→ 国内企業の ERP/会計システムの改修要否が最も明確に表面化しているのがみずほ関連案件です。(課題を多く抱えている状況)
まとめ:日本は「銀行側の準備はほぼ完了」→ 次は企業側の番
ISO 20022が全世界で稼働したことで、日本のメガバンク3行は既に受信・送信ともISO電文処理を開始。2025年の完全切替はほぼ完了していると考えられます。
今後大きな影響を受けるのは「企業の会計/ERP/外為システム側」であり、日本企業側の対応が求められることに。(※さすがに、各企業の情報収集は出来ないので個々の現状は不明です。時間もソースもとれませんから(笑))
BRICS!2026年に「統合デジタル通貨プラットフォーム」を正式稼働へ


BRICS拡大後の経済圏(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、エジプト、エチオピア、イラン、UAE)は、2026年に国境を越えた取引のための統合デジタル通貨プラットフォームを立ち上げる方針を固めています。
これは、BRICS Payや各国のCBDC(中央銀行デジタル通貨)接続実験を基盤にしたもので、世界経済にとって「ドル離れ」を加速させる新たな転換点となりそうです。
BRICSが進める「共有デジタル資産決済」とは!?
BRICSが推進している新プラットフォームでは、次の2つの決済方法が可能になる見込みです。
●各国の現地通貨での直接決済
例:インド ⇔ ロシアの貿易をルピー建て/ルーブル建てで完結。
●共有デジタル資産での決済
ブロック全体で使えるデジタル準備資産(例:金に裏付けられたトークン)を使用。
これにより、現在BRICS貿易の大部分を占める「ドル建て取引」を15〜20%削減することが目標とされています。
インドはすでに“脱ドル”を実行中:ルピー請求書への移行が進展


インド政府はすでにBRICS貿易の一部請求書をルピーに切り替えており、 2026年には完全なデジタル対応へ移行する計画が進行しています。
インド準備銀行(RBI)は2023〜2024年にCBDCパイロットを大幅拡張し、 国債市場・銀行間市場へも適用。これがBRICS統合プラットフォームとの接続を見据えたものと考えられます。
新たな外国為替(FX)構造が誕生する可能性


BRICSの新統合プラットフォームでは、以下の新概念が導入される見通しです。
● デジタル準備率(Digital Reserve Ratio:DRR)
金やコモディティに裏付けられたデジタルトークンを各国が一定比率保持し、 決済の担保として利用する仕組み。
● BRICS共通流動性プール
各国のCBDCをプール化し、AIによる自動レート生成や即時決済を可能にする取り組み。
これにより従来の米ドル中心の為替構造が大きく変化することが予測されています。
2026年は“新しい貿易金融(GESARA)の始まり”に!?


他の金融動向を重ね合わせると「2026年」早々に新しい貿易金融&金融システム(決済・送金)の始まりとなると考えられます。
おそらくは2026年1月から世界的に
GESARA社会の新金融システムへの移行&稼働
の動きが顕在化するのではと。
「日本」でも実際に同様のスケジュールにて、金融システムの移行&稼働が見られることに。(例:城南信用金庫などで2026年1月から新金融システムへの移行が公式に予定されています。)
日本の“メガバンク×ステーブルコイン”実証実験を開始!?日本政府が後押しへ


新政権が誕生した日本にて、いよいよ国(日本政府)のバックアップによる新金融システム改革が始まることに。
昨日(11月7日)片山さつき金融担当大臣(金融庁担当)が閣議後の記者会見で、国内主要銀行とフィンテック事業者が進めるステーブルコイン発行の実証実験に対し、金融庁が支援を行う体制を整えたと発表しました。
金融庁は、決済分野に特化した新たな支援枠「決済高度化プロジェクト(PIP)(Payment Innovation Project)」を立ち上げ、今回のステーブルコイン実証実験をその第1号支援案件と位置づけています。
当該枠組みにて
ブロックチェーン技術・関連法令・海外動向といった課題を、実証実験段階から監督・支援する体制を取る
とのことです。
実証実験の内容:3メガバンク+フィンテック企業で共同発行


ステーブルコイン実証実験の主な構成は下記のような内容となっています。
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の「3メガバンク」が共同でステーブルコインを発行。
Progmat(プログマ)等の技術提供企業も参画。
スキームは「信託型ステーブルコイン」。つまり、銀行グループのうち一行が信託受託者となり、預かった資金を信託財産として管理する枠組みを想定。
今回はまず「円建て」ステーブルコインを想定。将来的には「米ドル建て」などの外貨建ても視野にあるようです。
実証対象として、特に「クロスボーダー決済(海外拠点との送金・海外子会社間決済)」の用途に活用することが想定されています。
今後の見通し(スケジュールなど)


実証実験は 11月中に開始 される見込みと報じられており、早ければ 今年度(2025年度)内の実用化 を目指したい意向があるようです。
実験の終了・検証後には、法令・監督上の論点(たとえば、送金上限規制、資産裏付け・信託管理、マネーロンダリング・資金洗浄対策など)を整理し、公表する予定となっています。
Qプラン視点のまとめ


現在、日本では世界規模の 「XRP(RLUSD)」 による新金融システムをSBIホールディングスが中心となって推進しています。
今回、発表された「ステーブルコイン実証実験」がXRPによる新金融システムとどのような関係性を持つようになるのかに注目しておきたいと思います。
いずれにしても、今回の計画はGESARA要素の進展を意味する重要な出来事となります。












