「GCR/RV関連情報」イラク国内動向:イラク中央銀行総裁の発言
今週のTOPICS。今週はイラク国内で様々な動きがありました。そんな中から、先日、イラク中央銀行総裁アリ・アラク氏が語った内容を取り上げてみたいと思います。
今週(12月15日~20日)のTOPICS:イラク中央銀行総裁アリ・アラク氏の発言
先日、イラク中央銀行総裁のアリ・アラク氏がイラク国内金融政策(主にイラクディナールRV)に関して、下記のようなコメントを述べています。
外国通貨とアラブ通貨でのチャンネルを開くことで為替レートの安定が達成され、闇市場が徐々に排除されることを確認しました。
現在、イラク国内にてイラクディナールRVを実施するために取り組んでいる大きな課題が「並行市場の存在」です。
もともとイラクでは、イラクディナールの価値が不当に抑制されることで、イラクディナールの使い勝手が悪くなり、多くのイラク国民が一般市場で「米ドル利用」を中心としていました。
そのため、金融機関以外に通貨交換を行う取引所(通貨交換取引を行う人)が存在。政府が示しているイラクディナールの公式為替レート(現在は1310IQD)とは別に、「並行市場(闇市場)」が通貨交換(イラクディナールと米ドル)の中心となっていました。
並行市場(闇市場)では、公式為替レートよりも、イラクディナールが低価値で取引される状況が続いており、これがイラクディナールの価値を高めるための大きな阻害要因となっています。
そんな状況を改善するために、イラク政府&イラク中央銀行は 並行市場(闇市場)の排除(無効化)を推進。金融改革を通じて銀行システムを改革(デジタル化など)。通貨交換は銀行のみで行われるようにと様々な施策と併せて推進している状況です。
今回のアラク中央銀行総裁の発言は
並行市場(闇市場)の排除の成果があった(一定の成果が確認された)
ことを示しています。
イラク中央銀行(CBI)からの内部情報
アリ・アラク中央銀行総裁の発言を受けて、イラク中央銀行内部(関係者)から下記のような話がありました。(公式発言ではありませんので、オフレコの話として捉えています。)
イラクデイナールのゼロを削除するプロジェクト(デノミ)が発生する前に、イラクディナールの国内再評価を可能にするためには、並行市場(闇市場)での取引レートもCBI公式レートと同等でなければならない
イラク国内での混乱をさけるためには、至極当然の考え方と感じています。
この話の中で、私が注目したのは「ゼロを削除するプロジェクト(デノミ)が発生する前に、イラクディナールの国内再評価を可能にするため・・」といった部分。
今までのストーリーとしては、イラク国内でのイラクディナールRVを実施する前に、新しいイラクディナール低額紙幣が登場する(一般市場に流通する)というものです。
既に、新しいイラクディナール低額紙幣が一部で顕在化しているという情報もありましたので、 ゼロを削除するプロジェクト(デノミ)は着実に進行していると考えています。
今回の話(情報)を信じるのであれば
STEP1.新しいイラクディナール低額紙幣の市場投入
STEP2.イラクディナールのRV(通貨価値再評価、新しい為替レートへの移行)の実施
STEP3.イラクディナールのゼロ削除(デノミ)の実施
という流れで計画が進められていくこととなります。
今まで「イラクディナールのゼロ削除(デノミ)」が先に行われるのでは?という考え方がありましたので、そうではなかったとするならば、「STEP1:低額紙幣の市場投入」が始まっていると捉えた場合
現時点でイラク国内にてイラクディナールのRV(通貨価値再評価、新しい為替レートへの移行)が実行される可能性が十分ある
ことに。
上記の流れも念頭にしつつ、今後のイラク国内動向を注視・検証していきたいと思います。