【イラン経済改革】通貨から「4つのゼロ」削除へ インフレ抑制と金融正常化に向けた動き

先日イラン議会は、通貨改革の一環として、イラン・リアルから「4つのゼロ」を削除する法案を承認したと発表しました。
この重要な措置は、インフレ抑制や経済の透明性向上を目指した国家的な金融政策の一環として発表されていますが、当然、現在進行中のGCR/RV(通貨改革)となっています。
イラン経済委員会が「4つのゼロ削除」法案を承認!?


イラン議会経済委員会のファタラ・タヴァソリ議員によると、この法案は政府から提出されたものであり、中央銀行総裁や経済省、関連する立法機関との協議を経て、正式に委員会で承認されています。
現在、具体的な実施内容は他の法律や規制との整合性を取るための修正段階に入っており、今後数カ月以内に本格的な立法プロセスが進むと見られています。
「4つのゼロ」の削除とは何か?


現在、イランでは自国通貨として「イラン・リアル」が流通しています。
そのイラン・リアルに対する「4つのゼロ削除」政策とは現在流通している通貨の名目価値を下げることで、よりシンプルで効率的な取引を実現する金融手法となります。
例えば、10,000リアルの紙幣が「4つのゼロ」を削除することで1新リアルに置き換えられ、貨幣単位が現実の価値に即した形に変わることになります。
これは新しい通貨単位(おそらく「トマン」への移行)が導入される可能性もあることを意味し、過去の極端なインフレによって複雑化していた会計処理や価格表示が、より直感的で理解しやすいものへと転換される狙いがあると考えられます。
イランの経済的な背景:深刻なインフレと通貨下落


イランは過去数年にわたって、国際制裁や経済制約の影響を受け、深刻なインフレと通貨の価値下落に直面してきました。特に米国からの制裁強化以降、イラン・リアルは急激に下落し、実質的な購買力を大きく失ってきたのが実情です。
イラン中央銀行のモハマド・レザ・ファルジン総裁も2025年に向けた「国家金融改革計画」の中で、このゼロ削除が「最重要課題のひとつ」であると明言しており、国の経済信頼を回復するための一歩として位置付けられています。
GCR/RVの具現化過程が表れた一つの事例に!?


現在、米国トランプ政権は世界各国と「関税交渉」を推進しています。この関税施策には、いくつかの意味(目的)が含まれていますが、その一つの目的となっているのが
世界各国の通貨の為替レートを変更させること(米ドル安の方向に)
です。
これはGCR(世界通貨改革)・RV(通過価値再評価)の一環であり、最終的に米ドルに対して「1:1」の関係性(為替レート)へと導くための過程となっています。
その一つの形が「通貨のデノミ(ゼロ削除)」です。
今回、イランにて「4つのゼロ」を削除する法案が承認されたことは、イランにてGCR/RVの結果が表れてきたことを意味しています。
今後も表向きには「インフレ抑制」「為替安定」「金融信頼回復」という目的として、各国で同様の出来事(通貨のゼロ削除)が顕在化してくるのではと。着実にGCR/RVが形になりつつあることを感じさせてくれます。